【無料WEBセミナー第12回サマリー】 業績に繋がる健康経営とは?伊藤超短波株式会社〜物理療法を活かした健康経営〜

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RenoBodyでは、健康経営の優良事例やお役立ち情報をご紹介する参加無料のWEBセミナーを定期的に開催しています。今回は過去にお届けしたなかから、第12回伊藤超短波株式会社様のサマリーをご紹介します。登壇いただいた山田庸平様は伊藤超短波株式会社人事部の所属で、健康経営に携わって6年目のベテランです。健康経営の活動や現在感じている課題、これからの展望等についてお話しいただきました。
本セミナーは、アーカイブ配信もご覧いただけます。サマリーの最後で詳細をご案内していますので、併せてご活用ください。

【第12回無料WEBセミナー】
業績に繋がる健康経営とは? 伊藤超短波株式会社 〜物理療法を活かした健康経営〜

講演者:伊藤超短波株式会社 管理本部 人事部
健康経営エキスパートアドバイザー 山田庸平氏
司会者:一般社団法人社会的健康戦略研究所 理事・mHealth Watch 編集長 渡辺武友氏

配 信:2025年3月12日(水)・13日(木)・14日(金) 14:00~15:00

会社概要

伊藤超短波株式会社は大正15(1916)年創業の物理療法機器メーカーです。

所 在 地:本社:埼玉県川口市、本店:東京都文京区
     営業所:札幌・仙台・埼玉、東京、名古屋、大阪、広島、福岡
     海外拠点:ベトナム(ハノイ)
従業員数:308名(2024年12月現在)
事業内容:病院用・家庭用の治療器、リハビリテーション機器、健康機器、美容機器等の製造・販売
*物理療法とは:長短波・超音波・高周波・低周波・EMS・マイクロカレント等の物理エネルギーを活用した技術。業務用や家庭用機器のほか、技術を応用した美容機器も製造し、整形外科や整骨院だけでなく、エステ店等にも機器を納入。

経営哲学「菩薩業(利他の心)」、経営ビジョン「物理療法を究める」、ミッション「すべての人々が健康で幸せに暮らせる社会を追求する」を掲げ、事業を進めております。

健康経営の体制について

伊藤超短波株式会社では、2019年に健康経営を始め、健康経営宣言として「チャレンジ健康自己ベスト宣言」と銘打っています。
健康機器を扱うメーカーであり、物理療法を普及していく上で、我々自身が健康であることがとても重要で、従業員が健康で活き活きとしていることができれば、企業としての健康に対する真摯な姿勢がお客様に伝わり、信頼を高めることに繋がると考えています。
従業員に目を向けて健康を維持することで、物理療法機器メーカーとしての持続的に成長を目指して健康経営を推進しています。

健康経営の目標

健康経営を進めるにあたり、短期・中期・長期の目標を立てています。

・短期目標:「健康経営」の従業員への浸透
・中期目標:物理療法機器を活用した伊藤超短波らしい「健康経営」の確立
・長期目標:“伊藤超短波らしい「健康経営」”による物理療法の進化・発展と普及・
啓蒙の実現

健康経営宣言をした2019年当時は、健康経営が浸透していない状況で、どんなことを周りでは行なっているのか情報収集し、その過程で健康経営優良法人に認定されるための推進体制を作り、伊藤超短波としてどういう施策を行うべきかを考え、実際に施策を実施してきました。
推進体制は、現在はこのような形になっています。

元々健康経営を進めるにあたり推進する専用部署がありましたが、今は運営体制をより強力にするため人事部に専用部署を吸収・統合しました。
代表取締役社長が最高健康管理責任者(CHO)で、そこから管理本部長、人事部の縦のラインがあり、産業保健士や産業医、衛生委員会、外部では所属している健康保険組合と連携しながら、従業員とは健康アンバサダーを通して浸透するという流れになっています。

健康アンバサダーとは

各拠点で選任した健康経営をサポートしてくれる方のこと。健康経営優良法人の認定要件の評価項目に「健康作り担当者の設置」という項目があり、当初はそのために設置していました。当社は全国に拠点があり、拠点ごとの課題や同じ施策でも進め方に違いが出ていました。本社から見えない課題を抽出し解決策を協議して実際に進めていく役割として、健康アンバサダーを設置しています。
拠点によって人数や職種も異なるので、この方々が中間に入って課題を集約してくれるので、大事な存在です。評価のためだけでなく、当社のエンジンとして機能していただいています。

健康経営の具体的な施策

実際に行っている施策は、基本的には体や心の健康増進・維持をメインに行っています。

主な施策一覧
・人間ドック全額費用補助 ・健診オプション費用補助 ・定期歯科健診費用補助  
・社内健康イベント ・ITOウォーク ・Well-Beingセミナー ・保健師便り配信
・定期健康アンケート ・健康スローガン募集

・人間ドック・健診オプション・歯科健診の費用補助
健康診断の受診率を維持するためにも35歳以上の従業員を対象に人間ドッグは全額費用補助し、健診オプション費用補助や、また当社機械の中に歯科向けの機械もあることから歯科検診の費用補助を行っています。

・健康スローガンの募集
伊藤超短波が掲げる年間と月間のスローガン合計13点を募集しています。従業員が応募した作品の中から13点選び、選ばれた方は表彰し、賞品として自社製品や副社長が直々に厳選した健康グッズを進呈しています。

選出されたスローガンは社内各所に掲示することで、来社されるお客様にも当社の健康に対する考えを見ていただき、また自分たちもスローガンを見直すことでマインドが常に新たになると考えています。

・保健師便り
ヘルスリテラシー向上を目指して健康情報を発信しています。当初の私が調べた情報をCHOニュースとして配信していましたが、一昨年から産業保健士の先生を雇用し、現在は「保健士便り」という形で季節などの事柄にちなんだ健康情報を毎月1回配信しています。

・Well-beingセミナー
いわゆる健康セミナーのことで、従業員のヘルスリテラシー向上を目的として、外部の先生や講師を招いて開催しています。当社の独自性としては、従業員が講師になり情報配信やセミナーを行うことも多いです。
健康機器を扱うメーカーのためいろんな健康情報を持っている人が多くおり、その知識をアウトプットすることで他の従業員も様々な知識を吸収できますし、講師になった本人もアウトプットの場にもなります。いろんな要素を求めてこういったことも行なっています。

・ITOウォーク
ウォーキングアプリを活用したウォーキングイベントを年2回程度開催しています。体を動かす意識の向上を目指し、元々は個人で歩数を競い合っていたのですが、アプリの活用をきっかけに従業員同士のコミュニケーションの活性化も狙い、チーム戦にしてみました。また「ITO WORLD WALK EVENT」と題し、歩いた歩数と距離を算出して世界一周をみんなで目指すイベントも開催しています。

・伊藤超体操
独自性という点では、弊社の従業員の中には理学療法士や柔整師の資格を持つ従業員がおり、専門知識のある従業員が「伊藤超体操」を考案しました。

筋肉の仕組みを考慮し、実際に業務で使う筋肉をほぐす運動をとり入れた体操で、YouTubeで配信しています。立位・座位どちらでもできるので、当社の工場勤務の方々は業務前にみんなで体操しています。デスクで座ったままでもできるので、ぜひ皆さんやってみてください。

健康経営推進の軌跡、見えてきた課題

2019年の健康経営宣言以来、様々な施策を取り入れていく中で、担当としては課題が見えてきました。健康経営の進め方やあり方がこれで良いのか、現状のままで掲げていた目標は達成できるのか、疑問もありまして、健康経営を進める軌跡の中で、健康経営についてもう一度考え直そうということなりました。
健康経営の再設計や、健康経営の戦略マップを再策定し、その先に伊藤超短波の健康経営をリスタートしていくという目標を持って、現在取り組みを進めています。

再設計に際しての課題、経営との連動

これまで様々な企業様の健康経営の取り組みなども参考にしつつ、当社でできることを取り入れてきましたが、これが果たして経営に紐づいているのかを考えた時に、必ずしも全て連動できてなかったところが1番の課題と思っています。
一般社団法人社会的健康戦略研究所によるコミュニケーションシート(※セミナー動画29分頃参照)を見ると、会社の目的があり、それに対して目的を達成するためにどの会社も経営課題がたくさん出てきます。健康経営なので、やはり経営に紐づかなければならないとなった時に、本来は経営課題から健康が関わる課題を抽出し、うまく機能していない、目標に達していない部分を見つけて、そこに連動させないといけない。これが本来の健康経営のあり方だということは、長年情報収集をして感じたことです。
健康経営を知ってもらおうと施策をとにかく展開してきて、少しずつムーブメントとして大きくなってきましたが、施策先行型で経営との連動はあまり意識できていなかったというのもあります。
今、全従業員が健康経営の施策に前向きに取り組めているかというと、3割から5割ぐらいになってしまっていますが、経営と連動させていくことで、「みんなで取り組んでいかないと会社が良くなっていかない」という意識が芽生え、より積極的に取り組む人が増えていくと思っています。

健康経営の次のステップへ

当初掲げていました健康経営の目標で、短期目標の「健康経営がどういうものか」は浸透してきました。何を大事にし、どのような健康経営を行なっていくのが当社にとってプラスになるのかを模索するのが中期目標ですが、今この段階にようやく来ました。
長期目標は「伊藤超短波らしい健康経営によって、物理療法を発展したい」としていましたがこれを変更し、きちんと健康経営をやり切ることで伊藤超短波が成長していく、この成長の中には普及や啓蒙、進化・発展も含まれるということで、目標を以下のように変更し、今後事業成長にしっかりと健康経営を繋げていこうという動きがあります。

・旧長期目標:“伊藤超短波らしい「健康経営」”による物理療法の進化・発展と
普及・啓蒙の実現
・新長期目標:物理療法機器メーカーとして持続的事業成長

戦略MAPの再策定

現在、戦略マップの再策定を行なっています。
健康は大きく「体」と「心」、「社会的健康」の3つに分かれていると思うのですが、この「体」と「心」の健康の維持増進に対する施策は多数あります。
当社の現在の健康経営の課題と経営課題から紐解いていくと、健康経営で従業員のパフォーマンスを上げて、業績につなげていかないといけない、そのためにも従業員の方々と会社の信頼関係を強化しなければならないということで、エンゲージメントの向上というところにまで行きつきました。

従業員エンゲージメント・ワークエンゲージメントの強化

エンゲージメントも様々ありますが、その中でも人と組織や、人同士の繋がりを特に表す「従業員エンゲージメント」と、仕事と本人の繋がりを特に強化する「ワークエンゲージメント」、この2つに絞って改善していくところに重点取り組みとして進めていくと舵を切り直しました。
この再策定の具体的な内容はまだ白紙ですが、ぜひ皆様にお知らせできる日が来ることを願って進めていきます。

伊藤超短波の強みを生かした“らしさ”が出る健康経営

健康経営において“伊藤超短波らしさ”を出していきたいのですが、この目標をどう進めていくべきかを考えました。
当社は物理療法機器メーカーなので、いろんな健康機器のラインアップがあり、それを使うために必要な治療や健康の知識が豊富なことに加え、多様な分野の有資格者の方々とのコネクションもあります。

【伊藤超短波の強み】
・豊富な医療機器のラインアップ
・物理療法機器に伴う治療や健康の知識
・様々な分野の有資格者とのコネクション

 
元々はこれらの強みを生かして、社外に対して物理療法の発展・普及を行おうと思っていました。現在は、従業員に自分の会社のことを、例えば機械がどう使われ、どんな効果があり、どう良いものなのかを知ってもらうことで、いわゆる帰属意識を高めていければと思っています。社内向けの情報発信をより強化し、理解熱意の醸成に繋げ、せっかくいいものがあるのですから、それが身近にある環境を作っていきたいと考えています。
従業員、家族・友人の方々にこの良さが伝搬し、結果的に体と心よりは社会的健康の増進に注力していければという風に考えて、新しく“伊藤超短波らしさ”を出していこうと思っています。

経営目的に紐づいた健康経営

これからの健康経営として、以下を掲げています。

・社会的健康の増進
会社の理念や物理療法の良さを社内にしっかりと広めエンゲージメントの向上。
・社内環境の整備
物療を勧める運用プランを考え、適した会社作り。
・産業保健体制の整備
健診の事後対応や特定保険指導など、心と体の健康もこれまで通り徹底。
・アウトプットの強化
健康経営の推進や物理療法の活用事例を外部にも積極的に発信。
*健康セミナーや物理療法(機器)の体験会は既に実施。
・外部機構との連携
社内に留まらず健康保険組合や健康関連団体との積極的な交流機会の創出。

実際にアウトプットに関しては伊藤超短波の物理療法機器やその知識を生かした健康セミナーや体験会をすでに始めています。

本セミナー アーカイブ配信のご案内

お申し込みをいただいた方に、「業績に繋がる健康経営とは? 伊藤超短波株式会社 〜物理療法を活かした健康経営〜」をご視聴いただけるURLをお送りします。本編では講師の山田様より図表などを用いたご説明があり、より詳しく伊藤超短波株式会社様の健康経営の取り組みを知ることができます。
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